ハロウィンで使われているカボチャのお化け「ジャック・オ・ランタン」ですが、「ジャックの提灯」という意味です。では、なぜカボチャなのか、昔話を読んでみましょう。
ハロウィンにまつわる昔話
昔、ヨーロッパのアイルランドという小さな島にジャックという男が住んでいました。ジャックは飲んだくれで嘘つきで乱暴者で有名でした。
あるハロウィンの夜、ジャックはいつものようにお酒を飲んでいました。そこへ地獄から悪魔がやってきました。
ハロウィンは亡くなった人がこの世に帰ってくる時なので、悪魔もこの世の出入りが自由になります。
この時にやってきた悪魔はこの世の人間をあの世に連れて行こうとします。悪魔はジャックをあの世へ連れて行こうとしました。
悪魔に連れて行かれそうになったジャックは、あの世に行く前に酒を一杯だけご馳走してくれと頼みました。
酒を飲ますだけで簡単にあの世へ連れて行けると思った悪魔は、ジャックの願いを聞き入れることにしました。
そしてジャックは悪魔に酒を買うためのお金に化けてくれと頼みます。悪魔がお金に化けた瞬間、ジャックは悪魔を財布に入れ固く口を閉じました。
出られなくなった悪魔は必死でジャックに出してくれるよう頼みました。ジャックはあの世には連れて行かない約束をさせ財布から悪魔を出してやりました。
それから10年後、ジャックは再び悪魔と出会いました。悪魔は今度こそジャックをあの世へ連れて行こうと決意します。
ジャックは最後にあの木になっているりんごを一つとってくれと頼みました。悪魔が木に登っている間に木の幹に十字架を刻みました。悪魔は木から降りられなくなってしまいました。
ジャックはあの世に絶対に連れて行かない約束をさせ、悪魔を木から下ろしてやりました。
そして長い年月が経ち、ジャックは年をとって死んでしまいました。しかし、飲んだくれで嘘つきで乱暴者のジャックは天国に行くことができませんでした。
仕方なく地獄の門をたたくと、あの悪魔がそこに立っていました。悪魔はジャックにあの世に絶対に連れていかない約束をしたのだから、ここへ入れるわけにはいかないといいました。
ジャックは困り果て、ならどうしたらいいのか尋ねると、元にいた場所に帰れと言われました。
ジャックは帰ろうとしましたが、道が真っ暗で何も見えません。明かりをくれるように悪魔に頼みました。
悪魔は地獄の火の塊を一つだけジャックにわけてあげました。ジャックはその火の塊が消えないよいにカブをくり抜き提灯を作りました。
その後、ジャックはこの世とあの世を行ったり来たりしてさまよい、どちらに行くこともできなかったそうです。
この時の提灯が亡くなった人の象徴となりました。
いつしか、この話がアメリカに伝わりカブがカボチャになりました。当時のアメリカではカブはあまり知られていなく、カボチャがたくさん採れたので、いつの間にかカボチャが一般的になったようです。
まとめ
ハロウィンのカボチャはもともとはカブだったんですね。日本では、楽しいお祭りみたいになってしまっているハロウィンですが、本来は暗くて怖い物語が背景にあります。
ハロウインには、亡くなった人の魂が帰ってくると言われています。日本のお盆に似ていますね。