微熱が続く、体がずっとだるい、やる気が起きない、フラつくことがある。こんな時は「心因性発熱」(ストレス性高体温症)かもしれません。
「心因性発熱」(ストレス性高体温症)とは
普通に生活をしていれば心理的ストレスによって体温が高くなることはあります。通常その程度はわずかであり、長く続くようなことはありません。しかしながら、このような微熱状態が長く続くことがあり、その状態を「心因性発熱」、あるいは「ストレス性高体温症」(ストレス性微熱)と言います。
心理的ストレスによって37℃以上の体温が続くことがあまり知られていなかったため、このような状態になった人は原因が分からないままでした。いくつもの病院にかかり、数々の検査をしても原因が見つからず、たいていは解熱剤を処方されますが、風邪などの感染症による発熱とは違うので効果は得られません。
感染症や炎症性疾患でもなく発熱する原因不明のいわゆる「不明熱」の患者さんの18%が「心因性発熱」であった報告もあるそうです。高体温症はストレスなどによる心理社会的要因によって起こる身体疾患であり、心身症の一つだとも言われています。
「心因性発熱」には3つのタイプがあります。
- 強いストレスで体温が急激に上昇し、ストレスがなくなると熱が下がる。
- 慢性的なストレスがかかり、37~38℃の微熱が続く。
- ①と②が合併する。
乳幼児は①のタイプが多く、成人は②か③のタイプが多いです。
「心因性発熱」の対処方法
風邪を引いたときなどは安静にしようと考えますが、ストレス性の熱の場合、無理をしがちです。体に大きな負担がかかっているので、睡眠時間を十分に取る必要があります。
全ての仕事をこなそうとはせず、優先順位を決めて体への負担をできるだけ軽くするようにします。なんでも完璧にやろうとすると更にストレスがかかるので、体が悲鳴を上げる前に「このへんまでにしよう」と、休むことが大切です。
完璧主義な人は何かを続けていると「あともう少しだから」と、無理をする傾向があります。疲れたと感じる前に休憩するくらいがちょうどよいのです。
必ずしも眠らなくてはいけないというわけではなく、体を横にして目を閉じるだけで筋肉の緊張や副交感神経の緊張がほぐれます。常にどこかでリラックスできる時間を作りましょう。
一番体に負担をかけるのが、このままの状態ではいけないと考えて心身を鍛えようとすることです。これは逆効果なのでやめましょう。
治療するなら何科にかかればいい?
まずは内科で熱の原因を調べてもらいます。お子さんの場合は小児科で診てもらいます。特に何かの病気でなく心因性発熱が疑われる場合は、検査を受けた病院で心療内科を紹介してもらいましょう。ストレスによって起こる心因性発熱は身体反応による心身症でもあるからです。
心身症の専門は心療内科なので、こちらでの治療が望ましいです。ただし、精神疾患が併存している場合は精神科での治療をした方がよい場合もあります。
精神疾患の併存とは、お子さんでは起立性調節障害、大人では緊張型頭痛、気分障害(うつ病、そううつ病)、不安障害(パニック障害、PTSD)が心因性発熱と同時におこることです。
精神疾患がよくなれば微熱が改善することがあります。
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まとめ
微熱が続くと倦怠感や集中力の低下で仕事の能率が下がったりと通常の生活に支障がでてきます。もしかして「心因性発熱」かもと思ったら、早めに医療機関で診てもらいましょう。