タイフーン、ハリケーン、トルネード、サイクロンなど、地域ごとに様々な呼び方をされている台風。その違いについてまとめてみました。
タイフーン、ハリケーン、トルネード、サイクロンの違いは?
台風 / タイフーン (Typhoon)
台風とは、東アジア周辺の太平洋(赤道より北で、東経180度より西)で発生する熱帯低気圧で、最大風速(10分間平均)が17.2m/s以上のものを指します。
タイフーンは、国際的な取り決めにより最大風速(1分間平均)が33m/s以上のものを指します。また、最大風速が17m/s~25m/s未満のものは、トロピカル・ストーム、25m/s~33m/s未満のものは、シビア・トロピカル・ストームと呼びます。
ハリケーン (Hurricane)
ハリケーンは大西洋北部(カリブ海・メキシコ湾を含む北大西洋)、大西洋南部 (ただし、ほとんど発生しない)、太平洋北東部(西経140度より東の北太平洋)、太平洋北中部(180度~西経140度の北太平洋)で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速33m/s以上のものを指します。
なお、ハリケーンが北西太平洋に入ってきた場合は、それ以降は台風と呼ばれます。
ハリケーンの名前は、大西洋北部および太平洋北東部ではフロリダ州マイアミにある米国海洋大気局国立ハリケーンセンターが、太平洋北中部ではハワイ州ホノルルにある同局中部太平洋ハリケーンセンターが、それぞれ命名しています。
トルネード(Tornado)
北アメリカ大陸の主として中南部に発生する大気の激しい渦巻を指します。日本の竜巻と同様のものもありますが、それよりも規模の大きいものが多いです。竜巻は陸上・海上ともに用いられますが、トルネードは陸上の現象に用いられ、海上のものはウォータースパウト(waterspout)と呼ばれます。
渦巻は一般に低気圧性の回転(北半球では反時計回り)であり、その直径は100~500mとさまざまです。
サイクロン(Cyclone)
サイクロンとは低気圧の総称です。低湿デルタ地帯で大きな災害をもたらします。インド洋北部・インド洋南部・太平洋南部で発生します。 渦巻きの方向は北半球と南半球で逆方向ですが、本質的な特徴は北半球でも南半球でも変わりません。
台風になぜ名前があるの?
日本では戦前から名前ではなく番号をつけていました。ところが、第2次世界大戦中、米軍の気象担当者が台風に自分の恋人や奥さんの名前をつけることを始めました。その方式が米軍では定着しました。
終戦後、昭和22年に在日占領米軍の気象隊の指示で、台風に関する情報は米軍気象隊の発表するものと全て一致していなければならないことになりました。このため、台風の名前(女性名)は、日本でもそのまま採用することになりました。
昭和27年4月の講話条約(平和条約)発行とともに、日本の気象庁(当時は中央気象台)は台風の予報業務を自主的に行なうことができるようになり、昭和28年からは台風は従来どおり番号で呼ぶ読み方に戻しました。
まとめ
世界各地で様々な名前を持つ台風。日本でもで大きな被害をもたらしています。自然現象は避けることができないので、日頃の備えが大切です。自宅の周りに飛ばされやすいものがないか、個人レベルでの点検も必要ではないでしょうか。