高齢の方や、田舎に住んでいる方が、暑い夏の日に家の前などに水をまく「打ち水」をしている風景をよく見ますよね。これは、水をまくことで周囲の温度を下げることが目的です。しかし最近、「打ち水には効果が無い」という意見をあちこちで耳にするようになりました。真相はいかに・・・。今回は、打ち水の効果についてお話しします。
打ち水と湿度の関係
打ち水は、ただ水を所かまわずまけば良いというものではありません。水が蒸発すると湿度が上がります。湿度が上がると人間は不快に感じます。
そして湿度が上がると蒸し暑くなってしまうので、これでは涼しくするためにまいている打ち水も逆効果です。そこで打ち水をする時には3つのポイントがあります。
① 日陰にまくこと
② 朝や夕方にまくこと
③ アスファルトやコンクリートにまくこと
太陽光が直接当たっている日なたに水をまくと、すぐに蒸発して湿度を上げてしまう為、不快指数も上がり、逆効果になってしまいます。ですので、日陰にまきましょう。
朝や夕方は比較的1日の中でも気温が低いので、蒸発するまでの時間が長くなります。少しでも効果的な時間を選んで打ち水を行ってください。
そして、アスファルトやコンクリートは、土に比べて、熱放射の量が大きいです。そのため、アスファルトやコンクリートなどに打ち水をすると、熱放射を下げる効果があります。
同時に、気化熱による効果も期待できるので、試してみてください。
気化熱とは液体の物質が気体になるときに周囲から吸収する熱のことです。 液体が蒸発するためには熱が必要になります。 その熱は液体が接しているものからうばって蒸発します。
打ち水はエアコンの室外機に効果的!?
エアコンは、室内機と室外機を使うことで、うまく熱を逃して冷たい空気を放出しています。
室外機の周りが暑すぎると、熱の「熱い所から冷たい所に移動する」という性質が発揮されにくくなり、室内も冷えないし、室外機はより頑張って稼働してしまう為、電力消費量も大きくなってしまいます。
ですので、室外機がスムーズに熱を放出できるようにしておくのが大事なのです。そこで、室外機の周りに打ち水をすることによって、室外機の周りの温度が下がります。室内もより涼しくなり、電気代も抑えることができるので嬉しいことだらけです。
なお、室外機の周りに打ち水をする際はフィルター内に水が入り込むと故障の原因になることもあるので気を付けてくださいね。
打ち水に使う水は、お風呂に残ったお湯でも大丈夫?
打ち水にはお風呂の残り湯が最適です!ただし、きちんと冷めて「水」の状態になっているものに限ります。
入浴剤を入れた残り湯でも大丈夫です!入浴剤は身体に安全に作られているので、道にまいても問題ありません。ただ、香りの強い物の場合は、ある程度常識的な判断で、使用するか使用しないかは判断してくださいね。
お風呂の残り湯以外にも、雨水や米のとぎ汁、お子さんがいる家庭では夏の暑い日に自宅でプールなどをした際に使用した水なども使用できるので、捨てる前に二次利用の方法を考えてみてください。水道代の節約にもなり、気温も下がり、まさに一石二鳥ですよ!
まとめ
打ち水は昔ながらの方法で、涼しさを感じることができます。昔の方法が現在も残っているということは、それだけ効果が期待できると思って良いでしょう。
また、科学的根拠はありませんが、打ち水をする時の水の音や水の資格的要素が人間の五感を刺激して、清涼感を感じさせるともいわれています。
確かに、暑い日に水を見ると、涼やかな気持ちになりますよね。ただし、打ち水にも効果的な方法と時間帯があるので、それを踏まえて、実践してみてください。
地球もどんどん地球温暖化が進んできていますので、身近なところから対策をはじめていきましょう。結果的に、家庭の節約にもつながるかもしれませんよ。