「おばあちゃんの原宿」巣鴨。なぜ、そう呼ばれるようになったのか、お年寄りが巣鴨に集まった理由など、巣鴨の謎を解決します!巣鴨地蔵通り商店街の魅力についても書いています。
巣鴨にお年寄りが集まった理由
巣鴨にお年寄りが集まった理由は「高岩寺」が巣鴨に移ってきたことが一番の理由のようです。「高岩寺」は開山当時は文京区湯島にありましたが、のちに台東区下谷へ移転、その後明治24年(1891年)に巣鴨に移りました。
「高岩寺」の本尊は地蔵菩薩(延命地蔵)です。延命の功徳があり、どんな病気でも治せるという噂を聞きつけた人たちは、近隣だけでなく、遠方からも参拝者が訪れるようになりました。
それで信仰心の厚いお年寄りがたくさん集まるようになったようです。
「おばあちゃんの原宿」なぜ、そう呼ばれるようになったのか?
明治24年に下谷から巣鴨に移ってきた「高岩寺」は、当時はあまり知られていませんでした。大正に入ってから、住職さんが露店の人にご祝儀を出して店を出すようにと呼び寄せました。
参詣者にとげぬき地蔵の名入りの番傘を作り、無料で配布するなどして、まだあまり知られていない高岩寺へ人を集めました。
露店には婦人下着や洋服、傘など女性に人気がある商品が並びました。女性をターゲットにした商品を並べることで人を集めるのは今も昔も変わらないようです。
また、だんごや大福、焼き鳥やせんべいなど、その場で食べられる食品が並び、食べ歩く姿が増えました。食べ歩きは行儀が悪いと教え込まれてきた世代の人たちも、縁日は特別な日で、食べ歩いてもよかったのです。
巣鴨は定期的に縁日が行なわれいるため、皆が同じように食べ歩くことができます。厳しく育てられた世代に人たちにとって、巣鴨は食べ歩きができる粋な空間であったのかもしれません。
そして、この風景が「ファッションの街」「食べ歩きの街」である「原宿」に似ているため、いつしか「おばあちゃんの原宿」と呼ばれるようになったようです。
とげぬき地蔵尊 高岩寺
は、年に3回「正五九月(しょうごくがつ)」の24日、つまり1月24日、5月24日、9月24日に大祭が行なわれます。
「正五九月」とは、神様のパワーが生まれる正月、最も盛る五月、滅に入る九月のことで、お参りするのによいときと言われています。特に春盛りの5月24日の大祭には多く信者でにぎわいます。大祭は午前10時30分と午後2時30分の2回、本堂で大法要が行われます。
テレビ出演や多くの取材を受けた占いブースが境内にあります。「当たらない占い師が書いた本です」という書籍まで出版しています。「当たらない」なんてタイトルですが、内容はいたって真面目で、ここで占いをされた方はサインを書いていただいたりするほどの人気本です。
洗い観音
「洗い観音」に水をかけ、自分の体の悪いところを洗うと治ると言われています。初代の観音様はたわしで洗っていたため損傷が激しく、2代目の観音様は白いタオルで拭くようになりました。タオルは自分で持っていってもよく、なければ100円で販売されているので、その場で買うこともできます。
常香炉
常香炉に線香を投げ入れて煙を体の各部にかけて健康を祈ります。
●高岩寺内の露天で干しえびを買いました。
100g入り500円です。
干しえびの佃煮にすると美味しいです。母に教えてもらったのでレシピを書いておきます。
【作り方】
干しえびはざるに入れて細かい粉を落としておきます。
酒 1/2カップ、ザラメ(砂糖)大さじ1、めんつゆ大さじ2を煮立てて干しえびを入れ、水気がなくなるまで炒ります。
巣鴨地蔵通り商店街
地蔵尊縁日
巣鴨地蔵通り商店街は4のつく日は地蔵尊縁日です。(毎月4日、14日、24日)
いつもの商店街の前に200近い露天商が並びます。古着、骨董品、生活用品、乾物、海草、佃煮、こんにゃく、桜海老など数えきれないほどの商品が並びます。
マルジの「赤パンツ」
巣鴨地蔵通り商店街はミセスの品物をいち早く取り入れた商店街で、特に肌着の店が人気があります。「赤パンツ」は日本で一番有名になりました。地蔵通りで売られている「赤パンツ」ですから、どこよりも健康にご利益がありそうな気がします。しかも専門店なのでデザインやサイズも豊富です。ここなら妥協せずに「赤パンツ」が思い切り買えますね。
なんとメンズ専門店もあります!
塩大福
巣鴨に20年以上通っている母のおすすめは「元祖東京塩大福みずの塩大福」。こちらの塩大福が一番美味しいそうです。
すがもん
巣鴨地蔵通り商店街公式イメージキャラクター「すがもん」。
タリーズ
最近は若い人たちも巣鴨に来るようになったせいなのか、年配の方もコーヒー好きが増えたせいなのかわかりませんが、タリーズがオープンしていて驚きました。店頭に「エレベーターあります」と張り紙してありました。さすが巣鴨です^^
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あとがき
私の母は巣鴨に20年以上通っています。何がどこに売っているか、トイレの場所、美味しい店はどこかなど「巣鴨地蔵通り商店街」のツアーガイドになれそうなくらい詳しいです。
何十年も前のことですが、母に連れられて初めて巣鴨に行ったときに、帰りに母とラーメンを食べようと店に入りました。そのとき「ラーメン」を注文したのですが、出てきたのはなんと「タンメン」。明らかに聞き間違えたのでしょうが、おばさんは謝ることなく「タンメンは野菜がたっぷり入ってるから美味しいよ!」とそのままどんぶりを置いていきました。
勢いに負けてだまってタンメンを食べたのですが、それが本当に美味しいタンメンだったのです。それからタンメンを食べるたびに巣鴨のおばさんのことを思い出すのですが、よくよく考えるとこんな凄い店があるのも笑えます。下町のよさでもありますね。