韓国の平昌(ピョンチャン)にある寺院、「月精寺」と「上院寺」

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2018年冬季オリンピック開催地に決定した韓国の平昌(ピョンチャン)にある寺院、「月精寺(ウォルジョンサ)」と「上院寺(サンウォンサ)」をご紹介します。

韓国の平昌(ピョンチャン)はどこにあるの?どんなところ?

2018年冬季オリンピック開催地に決定した江原道にある平昌(ピョンチャン)はソウルから車で3時間くらいのところにあります。

夏は涼しく避暑地として人気があり、五台山(オデサン)国立公園には年間100万人もの観光客が訪れます。冬はマイナス4度~6度位になるため、ウインタースポーツでにぎわいます。

江原道は日本でも大ヒットした韓国ドラマ「冬のソナタ」のロケ地としても有名になったところです。

仁川国際空港から江陵を結ぶ高速鉄道が2017年12月に開業予定で、平昌までの所要時間は98分になる予定です。

  • 間違いやすい地名「平昌(ピョンチャン)」と「平壌(ピョンヤン)」

平昌(ピョンチャン)は北朝鮮の平壌(ピョンヤン)と名前が似ているため、間違える外国人が多いですが、実際に国連会議の出席者が平壌に間違って行ってしまったことがあるそうです。

平昌と平壌に限らず、韓国語の地名は似ている音が多く、利川(이천:イチョン)、二村 (이촌:イチョン)など、ハングルは全く違ってもカタカナで表記すると同じ音になってしまうため、電車などに乗るときは紙に書いた文字を見せて聞いた方が間違いありません。

  • 江原道は仏教が花を咲かせた地方

江原道からは高句麗時代の仏像などの遺物がたびたび発見されていて、統一新羅時代を前後する時期の仏教にまつわる伝説も少なくありません。

今回は、この江原道の平昌にある有名な寺院、「月精寺(ウォルジョンサ)」と「上院寺(サンウォンサ)」をご紹介します。

月精寺(ウォルジョンサ)とは

月精寺は、2018年冬季オリンピックの開催都市・江原道(カンウォンド)平昌郡(ピョンチャングン)にある観光名所の1つです。

境内にある聖宝(ソンボ)博物館には貴重な仏教文化財が展示されています。テンプルステイや茶道、数珠作り体験ができるプログラムも用意されており、外国人観光客にもたいへん人気があります。(有料)

2009年に俳優のペ・ヨンジュン氏がテンプルステイを5日間ほど体験し、執筆したフォトエッセイ「韓国の美をたどる旅」にも紹介されたことで日本でも知られるようになりました。また、イ・ビョンホン氏の公式カレンダーの撮影も行われました。

  • 月精寺の歴史

月精寺(ウォルジョンサ)は五台山東側の谷間にあり、60の寺と8つの庵から成る大きな寺で、モミの木の並木道がたいへん美しいことで有名な寺院です。モミの木は、俗世と仏の世界の境界として植えられたものだそうです。

月精寺は新羅の善徳女王の時代に、慈蔵(じぞう:ザザン)の創建したものといわれています。慈蔵は中国の山西省にある五台山で文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の霊感を受けて、朝鮮半島に五台山を開き、その山頂に寂滅宝宮(じゃくめつほうぐう)を建て、仏舎利を奉安したといわれています。

  • 八角九層石塔

山門を入ると先ず目につくのが、高さ15.2メートルの八角九層石塔(国宝第48号)と石造菩薩坐像(宝物第139号)です。

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優雅な姿をした塔は、内部に慈蔵が中国から持ち帰った仏舎利27個を奉安しているそうです。

この石塔は新羅善徳女王13年(644年)に建てられたそうですが、現在のものは高麗時代(936~1392年)のものであると思われます。

八角九層石塔の背後には寂光殿(七仏宝殿)が建っており、左側には講堂がありますが、これらの木造建築物は6・25動乱(朝鮮戦争)の際に兵火に焼かれたため、現在の建物はすべて新しく建てたれたものです。

  • 月精寺石造菩薩坐像(薬王菩薩坐像)
    こちらは本物を保存するための複製で、実物の菩薩坐像は現在は聖宝博物館中にあります。

Original Update by Ground (複製)

寂宝殿前に立つ石造菩薩坐像(実物)↓
高麗末期から8回に及ぶ改築を重ねた寂光殿の前で長年の風雪に耐えながら八角九層石塔の中におさめられた仏舎利を拝み続けてきました。

月精寺アクセス

【住所】
江原道 平昌郡 珍富面 五台山路374-8
강원도 평창군 진부면 오대산로 374-8

①ソウルから平昌まで市外バス利用
ソウル南部ターミナル ⇒ 珍富公用バスターミナル(所要時間2時間10分)

②珍富公用バスターミナルから月精寺まで市内バス利用
珍富公用バスターミナル近くの「珍富公用バス(진부공용버스)」のバス停から
「珍富・上院寺(진부.상원사)」行きのバスに乗り「月精寺入口(월정사입구)」で下車。
停留所から月精寺まで徒歩3分。

あるいは珍富バスターミナルからタクシーで約18分。

上院寺(サンウォンサ)とは

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  • 上院寺の歴史

上院寺は、「真如院」とも呼ばれています。場所は月精寺から北側に8kmほど離れた所にあります。

上院寺の建立に関して諸説あり、新羅善徳女王12年(643年)に慈藏法師(590~658)が月精寺と一緒に建てたという説と、新羅31代の王である神文王(在位681~692)の子息である宝川と孝明によって作られたという説があります。

聖徳王4年(705年)に再建されましたが、その後1946年に焼失し、1947年に再び建て直されました。現在では残っているのは鐘閣だけで、建物は韓国独立の後に再度造られたものです。

今、残っている遺物の中には、銅鐘(国宝36号)と文殊童子像、そして上院寺を再建するために世祖(朝鮮7代の王、在位1455_1468)が書いた直筆の重創勤善文(国宝229号)が残されています。

  • 上院寺銅鐘

上院寺銅鐘は高さ1.67m、直径91cmの鐘で、新羅聖徳王24年(725年)に鋳造され、朝鮮半島の梵鐘では最古に属するといわれています。銅鐘の側面に飛天像が彫刻されています。現在では鐘を保護するために鳴らすことはできません。

  • 世祖と文殊童子の逸話

上院寺の入口には、世祖が入浴する際に冠帯をかけておいたことから「冠帯かけ」と呼ばれる所があります。

ある日、世祖が五大川で入浴をしていた際に、一人の僧侶が通りかかったので、背中を流してくれるように頼み、世祖は、その僧侶に私の背中を流したことを口外しないように言いました。

すると僧侶は文殊菩薩に会ったことを口外しないようにといい残し、去っていきました。驚いた世祖が振り返ると、先ほどの僧侶はいなくなっており、自分の背中にあったおできがなくなっていることに気づきました。

文殊菩薩のお陰で病が治った世祖は僧侶の姿を描き、彫刻師に木彫りの像を作らせました。その像が文殊童子像です。

文殊童子像は、国宝第221号に指定されており、正式名称は上院寺文殊木彫童子座像といいます。

上院寺アクセス

【住所】

江原道 平昌郡 珍富面 五台山路 1211-14
강원도 평창군 진부면 오대산로 1211-14

江陵総合バスターミナルから市内バス珍富行き「珍富」で乗り換え「上院寺」下車

仏教聖地としての五台山

Original Update by Meryl Ko

人々は、遥か昔から自然を尊重し、その中でも山を崇拝しました。山を神秘的な目で見て敬虔な心で崇拝した理由は、山を神が住む所と信じていたからです。

この地に仏教が伝来されてから、このような自然信仰は自然仏教信仰に融和されました。

その中でも山を崇拝する信仰が仏教化された最も代表的な例が五台山の文殊信仰と五万菩薩信仰です。

五台山は真性が居住するところと信じられていたため、新羅の慈藏律師(590〜658)が中国の五台山で文殊菩提を親見して釈迦牟尼仏頂骨舎利に仕えました。

そして「東北にある清涼山に文殊菩薩がいらっしゃり、一万の眷属を率いて、絶えず説法する。」という「華厳経」に基づく五台山信仰が韓国に定着しました。

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まとめ

冬季オリンピックの開催都市である平昌にある寺院を紹介しました。中国とも日本とも異なる色彩に驚かれることでしょう。自然が豊かな五台山で古寺を巡礼をすることで、韓国の人たちの信仰心の深さを感じることができるかもしれません。

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