いまいちすっきりしないハーブ、アロマオイル、エッセンシャルオイルの違いをわかりやすく解説しています。
ハーブ、アロマオイル、エッセンシャルオイルの違い
どう違うのかわかりにくいハーブ、アロマオイル、エッセンシャルオイルの違いです。
- ハーブとは
ハーブとは、香りや薬効のある植物で生のまま、あるいは乾燥させて使います。
ハーブの語源はラテン語のHERBAで「緑の草」という意味です。草に限らず、木の葉や花、実もハーブに含まれます。ハーブの代表的なものがラベンダー、ミント、ローズマリー、オレガノなどです。
人間は野山の植物から香りのよいもの、薬効のあるもの、味のよいものなどを経験に通じて見分け、それを摘み取って暮らしてに役立ててる智恵がありました。ハーブは「人間の生活に役立つ草木の総称」であるといえます。
ハーブは生のまま、あるいは乾燥して料理の香辛料やハーブティーなどに使われます。
- アロマオイルとは
アロマオイルはアロマテラピー(アロマセラピー)で使用するエッセンシャルオイルのことです。
アロマ(aroma)とは「芳香、香り」を意味します。アロマテラピーは、「アロマ」と「セラピー(therapy:療法)」の合成語です。
アロマテラピーとはハーブの薬効成分を凝縮したエッセンシャルオイルを使って行う民間療法のことをいいます。植物の香りや成分を利用して健康維持に役立てます。
アロマオイルとは、「アロマテラピーに使うエッセンシャルオイル」のことです。
ただし、アロマオイルと呼ばれる商品には純度が100%でないものや、天然香料ではないフレグランスオイルやポプリオイル、フレーバーオイルなどの安価なオイルを指すこともあります。
アロマテラピーには100%のエッセンシャルオイルが使われます。
まれに店舗やメーカーなどでエッセンシャルオイルのことをアロマオイルと呼ぶとこがあります。どうやら、これが混同してしまう要因のようです。
- エッセンシャルオイル(精油)とは
エッセンシャルオイルは、ハーブを蒸留して取れるエッセンスのことです。
「精油」とは英語の「essential oil」を日本語にしたものなので、同じ意味です。
エッセンシャルオイル(精油)は、ハーブを蒸留して取れるエッセンスのことで、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂に含まれる油分のうち、揮発性のある成分のことをいいます。植物から抽出された100%天然の物のみ、エッセンシャルオイルと呼ぶことができます。
水蒸気蒸留やアルコール抽出によって得ることができます。マッサージ用オイル、軟膏、外用薬の材料などになります。
エッセンシャルオイルの蒸留方法
- 水蒸気蒸留法
抽出法の主流です。原料のハーブを高熱の蒸留器の中で蒸し、揮発性の成分を蒸気の中に取出します。この蒸気は管を通して冷却水の入った凝縮器を通り、最終的には液体となってフラスコに集められます。
精油は表面に、芳香蒸留水は下部に溜まります。
- 高圧炭素抽出法
近代的で、コストの高い方法です。非常な高圧状態で二酸化炭素ガスを用いて芳香物質を引き出すもので、高品質なオイルを生産することができます。
- 圧搾(あっさく)法
圧搾とは、圧力でしぼることです。特に、強い圧力を加えて物質の密度を高めることといいます。圧搾法は、かんきつ類の皮やゴマなどを抽出するときに使う方法です。
科学的な変化や蒸留などがされていないので、普通は精油とは呼ばずエッセンスと呼びます。
エッセンシャルオイルの注意点
- テストしてから使用する
エッセンシャルオイルをマッサージオイルとして使用する場合は、腕などのデリケートな部分につけてみて赤くならないかどうかをテストしてから使います。
- 妊娠中に避けたほうがよいハーブ
妊娠中の方は、できるだけエッセンシャルオイルの使用を避けるようにします。
クラリセージ、サイプレス、シダーウッド、ジュニパー、セージ、タイム、バジル、パセリ、ヒソップ、フェンネル、ペパーミント、マジョラム、ローズ、ローズマリーなどは特に厳禁です。
- 日光に当たるとシミの原因に
柑橘系のオイルをマッサージオイルなどに使用した場合、日光に当たるとシミの原因になります。ベルガモット、ライム、レモンなどでマッサージを行って、外出する場合は、よく洗い流してからにします。
一晩たっても成分は皮膚に残っているので、同様の処置を行います。
- 子供の誤飲に注意
エッセンシャルオイルは、子供の手の届かないところに置きましょう。もし、誤って飲んでしまった場合には、医師の処置を受けましょう。
目に入ってしまった場合も、速やかに洗い流した後、病院で診てもらうようにします。
- 高温になるところには置かない
エッセンシャルオイルは、揮発性なので、使用後はこまめにフタを閉めるようにします。蒸発を防ぐために、テレビや暖房機の近くに置かないようにします。
また、プラスチックやゴムを溶かすこともあるので保存瓶は必ずガラス製のものを使うようにします。
ハーブの歴史
ハーブの歴史は大変古く、中国の皇帝の神王がハーブに関する本を著したのは、紀元前4世紀のころだといわれています。
また、古代メソポタミア文明にも、すでにハーブ類に関する記録があるといいます。ということはハーブは数千年の暮らしの中に息づいてきたことになります。
数々の神話や伝説に薬草が描かれています。西予の創世記には青草が出てきますし、エジプトのパピルスにはハーブを塗り薬に使ったことが記されています。またピラミッド工事の労働者の健康保持と強壮にも、ハーブが使われていました。
その後、ギリシャ、ローマと伝わり、ヨーロッパ全土に広まっていきました。そして、中世のイギリスで心と体の両方の病に効果があるとして使われたハーブが16世紀の新大陸発見とともにアメリカに渡り、各国の植民地で根ざしていきました。
アロマテラピーの歴史
古代エジプトや中国では、紀元前から医療や信仰、美容のために香油を使用していました。それ以降も薬草や芳香水の研究は世界各地で行われていましたが、アロマテラピー(芳香治療)として研究が始められたのは20世紀初頭のことです。
フランスの科学者ルネ・モーリス・ガットフォセは、香水工場での実験中に手に大やけどをおってしまい、とっさに傍らにあったラベンダーの精油に手を浸したところ、ケロイドを残さずに治すことができました。
以来、彼は研究を重ね、1928年に著書「芳香療法」を出版し、世に「アロマテラピー」という用語を紹介しました。2回の世界大戦で精油が戦士の負傷治療に使われるなど、多くの科学者や医者が精油の研究を進めました。
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まとめ
ハーブは草に限らず、木の葉や花、実などの香りがよく薬効があるもので「人間の生活に役立つ草木の総称」のことです。
アロマオイルはアロマテラピー(芳香療法)で使うエッセンシャルオイルのこと。
そして、エッセンシャルオイルとは、ハーブを蒸留して取れるエッセンスのことです。
アロマに関してざっくり言うと、『ハーブ(草木)を蒸留 ⇒ エッセンシャルオイル ⇒ アロマテラピーに使うオイル』という関係になります。
もちろん、エッセンシャルオイルはアロマテラピー以外にも、さまざまな場面で使用されています。