厳島神社の鳥居はなぜ海の中に建てられたのか?社殿の特徴とは?

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世界遺産である厳島(いつくしま)神社の鳥居はなぜ海の中にあるのでしょうか?また社殿にはどんな特徴があるのでしょうか。そして、誰によって建てられたのでしょうか。

厳島神社の鳥居はなぜ海上に建てられたのか

厳島神社の鳥居はなぜ海上に建てられたのでしょうか。それは、かつては島そのものが聖域であったため、神域の入り口に鳥居が建てられました。

したがって鳥居は、神域と俗界を隔てる境界の役割を果たしているのです。神の島である厳島は、その境界を海上に示さねばなりませんでした。

そのため、当時の人々は対岸から小船に乗って鳥居をくぐり神社を参拝したそうです。

大鳥居と称されるようになったのは、鎌倉時代に入ってからで、弘安9年(1286年)には、柱の長さが4丈8尺(約14メートル)の大鳥居が建てられました。

しかし、その40年後には台風により倒壊。この後も何度か倒壊、焼失と再建が繰り返されました。

現在の鳥居は明治8年(1875年)に再建された八代目です。高さは約16メートル、重量は約60トンになります。

一見、海底に深く埋められているように見えますが、実は固定されておらず、その重さのみで建っています。それでも、台風や地震などで倒壊することはありません。

いったい、どのような構造になっているのでしょうか。

まず海底部分は、松材の千本杭を打ち込んで地盤を補強し、その上に布石を並べて基礎をしています。

また、左右の本柱にそれぞれ二本ずつの袖柱を添えることで六本柱として安定感を出し、柱と屋根の交差する部分には双方の動きやひずみを吸収する楔(くさび)が打ち込まれています。

さらに、安定させるために鳥居上部の笠木(かさぎ)の下に渡す箱型の島木のなかにはこぶし大の玉石が約7トンほど詰められています。

厳島神社の社殿の特徴

厳島神社の社殿の特徴は、海上に建っていることが一番にあげられますが、そのほかの特徴として平安時代の貴族の邸宅に用いられた寝殿造りの様式が用いられていることです。

寝殿造りは母屋の寝殿から鳥が翼を広げたような形で東西の対屋(たいのや)へと渡り廊下(渡殿)で結ばれ、全面には庭や池が設けられています。

母屋にあたる本殿の床面積は165畳分相当で日本最大です。それがより広く感じられるのは、通常の神社の本殿とは異なり重厚な扉、板壁などがなく開け放たれた空間になっているためです。

そして最大の特徴は「海上寝殿」とも呼べる立地にあります。およそ275メートルにおよぶ回廊によって結ばれる社殿郡が、ほとんど海の上に建っています。

満潮時には海上に浮かぶ幻想的な社殿となり、干潮時には砂上の荘厳な社殿となります。まるで山の神の海の神が融合したかのような光景が展開されます。

厳島神社は誰が建てたか

厳島神社の社伝には、推古天皇が即位した593年に神主である佐伯鞍職(さえきのくらもと)によって社殿が建立されたと書かれています。

そこには次のような伝承が残されています。

ある時、佐伯鞍職の前に市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が現れ、この島が気に入ったので社殿を建てて欲しいと告げられました。

そして鞍職は姫にかしづく霊烏(れいう)と島を巡り、現在の神社がある御笠浜(みかさのはま)がある地に社殿を建立したそうです。

また、平家物語(長門本)には違う伝承が伝えられています。

推古天皇の時代、佐伯蔵本(鞍職)が播磨国(はりまのくに)にいる七つの声で鳴く鹿を見たいとの天皇の要望に応じ、誤って仏が化身した金色で九色の鹿を殺害してしまったため、その罪として案芸円に流され、そこで見つけた瑠璃の壷から厳島神が現れたため、この神に仕えて宮居を定めたと伝えられています。

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あとがき

瀬戸内海の美しい海と弥山に調和して特異な景観を作り出している厳島神社。海上安全、商売繁盛などの信仰を集めています。

1996年には厳島神社と前面の海、背後の原始林を含む弥山などの島の14%が世界遺産に登録されました。

登録された遺産のうち、厳島神社の本社本殿・幣殿・拝殿など17棟、大鳥居・五重塔・多宝塔からなる建造物は6棟が国宝です。11棟3基が国の重要文化財にも指定されています。

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