神社仏閣に参拝した時にお賽銭箱にはいくら入れたらいいのでしょうか。金額でご利益が違うのでしょうか?
お賽銭とは
お賽銭の「賽」とは神から福を受けた事に報いるという意味です。そして昨年の収穫に対する感謝の意味でお金ではなく、米や雑穀をお供えしていました。
したがってお賽銭は本来お願いするためではなく、昨年のお礼としてお供えするものなのです。白い紙に包んでお供えさせるお米は「おひねり」と呼ばれました。
のちにお金が世間に流通されるようになり、中世以降からお金をお供えするようになりました。賽銭箱が置かれるようになったのは近世以降で、地域によっては長らく米がお供えされていました。
お米がお金に代わっても、神様への感謝の気持ちに変わることはありません。
お賽銭はいくらがいいのか?
お賽銭はたくさん入れると願いが叶うのでしょうか。どうやら、そうでもないようです。お賽銭に「5円=ご縁」がいいのは有名ですが、そのほかにも縁起の良い組み合わせ、逆に縁起の悪い組み合わせがあります。
いわゆる語呂合わせですが、日本は「言霊(ことだま)」の国です。言葉に力があると信じているからこそ、このような語呂合わせが生まれたのかもしれません。
5円…ご縁がありますように。
10円(5円2枚)…5円を重ねて、重ね重ねご縁がありますように。
15円(5円3枚)…「10と5円」で、十分ご縁がありますように。
20円(5円4枚)…「4と5円」で、よいご縁がありますように。
25円(5円5枚)…「20と5円」で、二重にご縁がありますよう。
30円(5円6枚)…安定と調和のとれたご縁がありますように。
(6の付く六角形に安定と調和をもたらす意味があるため。)
35円(5円7枚)…再三ご縁がありますように。
※悪い意味で「散々なご縁にあってしまう」という考え方もあるようです。
40円(5円8枚)…八の字が末広がりなため「末広にご縁がありますように」。
45円(5円9枚)…「4と5円」で、「終始ご縁がありますように。
50円(5円10枚)…「5円×10枚」で、五重の縁がありますように。
55円(5円11枚)…「5=いつつ」で、いつでもご縁がありますように。(「午後=55」に投げる。)
65円(5円13枚)…「ろくなご縁にあわない」というネガティブな意味。
75円(5円15枚)…「泣くようなご縁にあってしまう」という、ネガティブな意味。
85円(5円17枚)…「8と5円」で、矢継ぎ早にご縁をうけられる。
95円(5円19枚)「9と5円」で、苦しいご縁にあう。
105円(5円21枚)…「10と5円」で、十分にご縁がありますように。
※「当分ご縁がない」というネガティブな意味もあるようです。
115円(5円23枚)…「115」で、いいご縁がありますように。
125円(5円25枚)…「12と5円」で、十二分にご縁がありますように。
415円(5円83枚)…「415」で、よいご縁がありますように。
485円(5円97枚)…「4方+8方+5円」で、四方八方からご縁がありますように。
お賽銭は5円玉がいいのか?
お賽銭に5円玉を使うと縁起がいいと言われています。「穴あき銭は穴があいているから見通しが良い」と考えられているからです。一方で「穴からご縁が抜けてしまう」というネガティブな考えも少数ながらあるようです。
5円玉以外では、10円玉が「遠縁(とおえん)」を意味し、また500円硬貨は「これ以上効果(硬貨)がない」という意味で、よくないとされています。
1万円は「万円」を逆にして「円万=円満」ということから「円満に通ず」という意味になるそうです。お札の場合は、新札を白い封筒に入れるといいそうです。
お賽銭の額でご利益が違うのか?
お賽銭を入れる時にいくらにするか迷った経験はありませんか?
5円しか払わずにこんなに大きなお願いをするのは虫が良すぎるのではないか、あるいは、お札(さつ)を入れた方がご利益が大きいのではないかというように、金額によって差があるのではと考えたことはないでしょうか。
言うまでもなく、お賽銭の金額でご利益に違いはありません。
ましてや、収入もないのに無理をして不相応な金額を払えば邪念がわいてきます。「こんなに払ったのだから願いが叶って当然」。そういう思考になったとたんに見返りだけを求めて何の努力もしなくなってしまいます。
ですが本来、参拝というのは願いが叶った御礼に参るものです。したがってお賽銭はお願いごとの対価や御礼という意味ではありません。
お賽銭というのは神仏への施しであり、見返りを求める施しは我欲となってしまいます。このように本来の意義から考えれば、金額でなく気持ちが大切であることがわかります。
お賽銭はご挨拶のしるしとして納め、心をこめてお参りすることが何よりも大切なことなのです。
お賽銭を投げるのは神様に失礼?
神様に向かってお金を投げるのは失礼ではないのかと、思われるかもしれません。しかし、投げることは失礼ではありません。
賽銭は「散銭(さんせん)」とも呼ばれており、もともとお米をまく「散米(さんまい)」から派生したものです。お米やお金を落とすことで投げた人の罪や穢れを祓い清めることができるという考えに基づいています。
賽銭箱にお金を投げ入れたり、逆に丁寧にそっと入れたりするのはどちらも正しいお供えの仕方です。ただし、参拝者の頭越しにお賽銭を投げ入れるのは危ないのでやめましょう。
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まとめ
お賽銭に5円玉が良いとされるのはゴロ合わせで縁起の良い金額にしていたからです。言霊を信じる日本人らしい発想です。
毎回お賽銭で金額を悩んでしまうようであれば、このようなゴロ合わせで予め金額を決めておけば
お参りの際に変に悩んだりせず、邪念もわかず参拝に集中できるのではないでしょうか。